ティフトン芝の手入れの方法とは?元気のないときは苗から育てよう

ティフトン芝の手入れの方法

ティフトン芝の手入れはすることがたくさんあります。芝刈り、水やり、肥料やり、そのほかあわせて6つの作業を、季節にあわせておこなっていく必要があるのです。枯れないように育てるには、作業をする方法とスケジュールを理解しておきましょう。

ティフトン芝は、サッカー場やゴルフ場などに使われることのある、芝の代表的な品種です。上手に育てれば、触り心地もよく、耐久性もある芝生が作れるので、ここで紹介する育て方を参考にしてみてください。はじめにティフトン芝とはどんな芝なのかを解説し、その後手入れ方法と育て方を紹介していきます。

ティフトン芝とはどんな芝生?

ティフトン芝の手入れをする前に、芝としての特徴を理解しておきましょう。ここでは、ティフトン芝が好む環境や、よく植えられている場所、さらにはほかの芝との比較をして、ティフトン芝とはどんな芝なのかを解説します。植える芝の種類を検討している方や、育てかたを知りたい方はまずここから読み始めてください。

ティフトン芝とは

ティフトン芝とは

ティフトン芝は、「バミューダグラス類」という芝生の仲間のひとつになります。アメリカで品種改良によって開発され、やわらかい葉と強い繁殖力が特徴です。

ティフトン芝は、分類としては「西洋芝」のなかの「暖地型」に属します。西洋芝とは、日本に自生していた芝(日本芝)ではない、海外からの輸入種のことです。暖地型というのは、芝のなかでも暑さに強い種類という意味で、関東以南の暖かい地域に適しています。

ティフトン芝が属するバミューダグラス類の芝は、暖地型のなかでは世界で最も使用されている種類だといわれています。運動場やゴルフ場などでも使われている種類です。芝を植えるのであれば、候補に入れてほしい種類になります。

ティフトン芝のメリットとデメリット

繁殖力の高さと機能性が、ティフトン芝最大のメリットです。それに対してデメリットは、手入れが頻繁に必要だということです。

地下で横方向に茎をのばして成長する特性があり、少ない量を植えるだけでも最短3カ月で地面を覆うことができます。植え方について詳しくはこの後、「ティフトン芝の育て方」というところで紹介していきます。

また、機能性でもすぐれています。ティフトン芝は踏まれる圧力に強く、触り心地もチクチクとしないので、上をはだしで歩くこともできます。また、暑いところや日陰でも育ち、暖かい地域(関東以南)には最適な種類です。

ただし、ティフトン芝には、繁殖力が高く、すぐに成長してしまうので、頻繁に刈り込みをする必要があるというデメリットがあります。ティフトン芝の手入れについては後で詳しく説明しますが、1週間に1回程度の芝刈りを6月から9月の間続けることになります。

ほかにもさまざまな種類の芝生がある

芝は、植える場所の気候に合った種類を選ぶ必要があります。ティフトン芝は暖かい場所に適した暖地型の芝生ですが、冬に寒くなる地域では寒地型の芝生を植えなければなりません。

暖地型は夏場に成長が早まり、冬の間は葉が枯れて茶色くなります。いっぽう、寒地型は冬を含めて1年中緑色を保ち、夏の暑さに弱い傾向にあります。関東より南が暖地型の生育域、東北地方を含めてそれより北が寒地型の生育できる場所です。

寒地型と暖地型の代表種をひとつずつ紹介します。ティフトン芝以外にも芝にはいろいろな種類があるので、比べてみてください。

■ケンタッキーブルーグラス
寒地型の西洋芝として代表的なものが、このケンタッキーブルーグラスです。暖地型が育ちにくい北海道と東北で主流の芝で、耐寒性・耐圧性にすぐれています。手入れに関しては、成長が早いので月に4回から8回のペースで芝刈りをする必要があり、世話は忙しいといえるでしょう。

■高麗芝(コウライシバ)
日本で最も使用されている芝が高麗芝です。暖地型の日本芝で、葉は細く、触るとチクチクとした手触りがします。害虫や病気に強く、西洋芝の仲間と比べると成長もゆっくりのため、芝としては手入れがしやすい部類に入ります。

■人工芝
ポリエチレンやナイロンなどの素材からできている人工の芝生です。芝刈りや水やりなどの世話が不要で、土の地面以外にも敷くことができます。天然芝とそっくりに作られており、お庭をはじめとしてスポーツ競技場などにもよく使われています。

このように芝の種類をみてみると、ティフトン芝の特徴がおわかりいただけるかと思います。手入れがほぼ不要な人工芝と比べると、天然の芝は手入れが必要です。ティフトン芝も、手入れをしっかりとすることで美しさを保つことができます。

手入れが大変なことを理由にして芝を植えるのをあきらめる必要はありません。弊社が紹介する芝生管理の業者を利用すれば、芝の管理を任せることができます。ティフトンの手入れが必要なときは、弊社のフリーダイヤルにお電話いただければ、ご相談内容に合わせて最適な業者をご紹介できますので、ぜひご利用ください。

ティフトン芝の手入れ方法

ティフトン芝の手入れは、いわば「継続は力なり」です。手入れの年間スケジュールは、次のようのようになっています。

このような形で、ほぼ1年中手入れをすることになります。世話に必要不可欠な「水やり」「芝刈り」「施肥」などの6つの作業を、ここで詳しく確認しておきましょう。

水やり

水やり

芝への水やりは、1回にたくさんの水を与えることを心がけてください。量の目安は、1メートル四方の芝生に対して20リットル(=バケツ1杯)程度です。

ティフトン芝の場合、芽が出始める3月ごろからはじめ、10月で水やりを終えます。6月から7月にかけての梅雨の時期には、雨がたくさん降るので水やりは休憩しても大丈夫です。

水をまくのは、お昼にはやらないようにしてください。日中に水をまくと地表の湿度が上がり、芝が苦手な環境ができあがってしまいます。水やりは、比較的気温が低い朝方や、日没後などにおこなうようにしてください。

芝刈り

ティフトン芝の場合、芝刈りは頻繁におこなうことになります。6月から9月がティフトン芝の成長の最盛期になるので、この時期は1週間に1回以上芝刈りをすることになるでしょう。

芝刈りでは、葉の丈を2センチから3センチ程度に保っていきます。芝刈り機には、刈ったときに残る葉の丈を設定することができるものがあるので、好みに合わせて2から3センチの間で設定して刈りましょう。

施肥

肥料をまくのは、3月から11月までの間で1カ月おきにおこないます。芝生用の肥料というものが市販されているので、そちらをまくのがおすすめです。液体と固体のもの両方がありますが、どちらを使うかは使いやすさを考えて選んでください。

液体のものは、取り扱い説明をみながら水で薄めて、散布器やジョウロなどを使ってまきます。個体の肥料の場合は、使用する量をすくって芝の上にまいてください。まいたあとには水をやりましょう。そうすることで、肥料をしっかりと地面にしみこませられるのと同時に、肥料がふれた部分の芝生が変色する「肥料焼け」も防ぐことができます。

肥料を与える量は、肥料の種類や与える時期によって異なります。与え方は、1カ月分を1度に与えるという方法だけでなく、月数回に分けてやることもあるので、肥料の使用方法を確認しながら施肥をしてください。

エアレーション

聞きなれない言葉かもしれませんが、エアレーションは芝生に穴をあける作業のことをいいます。穴をあけるのは、芝生の下にある土に空気を通すためです。専用の「ローンパンチ」や「ローンスパイク」という杭がついた道具を地面に向けて刺し、空気穴をあけます。

この作業は1年のうち2回から3回程度おこなってください。3月と6月、そして9月に1回ずつやるのがおすすめです。

3月と9月のエアレーションは、空気を通すだけでなく、地下で伸びて絡まっている芝の根を切り、新しい根を育てる目的もあります。また、6月にエアレーションをするのには、庭の水はけをよくする目的もあります。

6月になると心配になってくるのが、梅雨の雨で芝の庭に湿気がたまってコケが生えてしまうことです。コケは繁殖力が強いので、一度生えるとどんどん増えてしまいます。そこで、エアレーションで地面に穴をあけて水はけをよくすれば、雨対策をすることができるのです。

雑草抜き

芝生の地面にも雑草が生えてきてしまうので、常に雑草を処理していくことが必要になります。ほかの作業は冬の間にやらなくてもよいのですが、草取りだけはしておかないと、いつの間にか庭が雑草に占領されてしまうこともあります。そうならないためには、手摘みや除草剤を使って雑草処理をしてください。

草取りは、3月から6月ごろまではとくに徹底しておこないましょう。この時期はティフトン芝が次第に成長を早めていく時期ですが、それより先に生えてくる雑草があります。生えてきたものは抜き、その後の1年で繁殖する芽を摘んでしまいましょう。

また、除草剤を使用するのであれば「選択性」のものを選んでください。除草剤には決まった草を枯らす「選択性」のものと「非選択性」のものがあり、非選択性のものは植物であればなんでも枯らしてしまうものです。芝を枯らさない除草剤があるので、これを使うようにしましょう。

害虫対策

害虫対策は、殺虫剤を散布することになります。ガの幼虫のイモムシなどが発生すると、芝生を食い荒らして、はげさせてしまいます。とくに5月の終わりと7月の終わり、そして9月の半ばは害虫の発生が増えるので、その時期に合わせて散布するとよいです。

虫対策や、肥料の散布、雑草抜き、そして毎日おこなうことも必要な水やりなど、ティフトン芝の手入れは何かと世話が焼けます。しかし、世話をひとりでおこなう必要はありません。業者に定期的な整備を依頼したり、作業の一部を任せたりすれば、自分の都合に合わせながら手入れしていくことができるのです。

弊社のコールセンターでは、無料の電話相談を承っております。芝の手入れで「芝刈りだけを依頼したい」などのご相談でも柔軟に対応することができます。芝の管理でお悩みの方は、ぜひ一度弊社にお問い合わせください。

自分でティフトン芝を育ててみよう

ここからは、芝生を育ててみたいとお考えの方のために、繁殖力が強くておすすめのティフトン芝の植え方・育て方を解説します。どれだけの広さにいくつの苗が必要なのかなど、育てる前によくある具体的な疑問点を解消しましょう。

ティフトン芝は苗から育てられる

ティフトン芝は苗から育てられる

ティフトン芝は、苗で売られています。西洋芝の仲間は、種をまいて育てることが多いですが、ティフトン芝は種ではなく苗から育てるのが主流です。小さな植木鉢のようなものにひと株入っているという形で入手できます。

ティフトン芝の育て方

ティフトン芝は、「鳥取方式」(とっとりほうしき)という植え方ならば、1メートル四方の土地に4株の苗を植えるだけで、3カ月後には土地全体を覆うほどにまで成長します。この方法で植えるときに必要な苗の数は、土地の広さを測って何平方メートルかという広さを出し、その広さに4を掛ければわかります。

植えるときは、まず土を作ります。地面をスコップなどで耕して、石や雑草を取り除きましょう。耕した土地は平らにならして、苗が入るくらいの穴をあけてから、植えこんでいってください。

苗の間隔をおよそ50センチにすると、1メートル四方の土地に4株の苗がちょうどよく収まります。植えた以降は、芝がまだ張っていない場所に雑草が生えることがあるので、こまめに雑草取りをします。

うまくいかない場合はプロに任せよう

世話をしたのにティフトン芝が枯れる場合や、雑草が増えてきてしまった場合などは、手入れの方法が間違っているのかもしれません。たとえばゴルフ場やスポーツ競技場の芝生は、プロの整備士が正確な知識のもと、計画的な管理をすることで保たれています。業者が請け負う必要があるほど、芝の管理は難しいのです。

芝のことで「うまくいかないな」と思ったら、業者に頼りましょう。植える作業や、芝生の手入れなど、芝に関するさまざまな作業に対応してもらえます。

必要な作業を頼める業者は、弊社を利用していただくことで簡単に見つけることができます。弊社がご案内する加盟業者は、現地調査と見積りの算出までは無料ですので、見積りをとってしっかり検討してみてください。フリーダイヤルの相談窓口へのお問い合わせをお待ちしております。