天然芝の手入れは何をすればいい?天然芝にかかる手間やコストとは

天然芝の手入れ

天然芝の手入れは、さまざまな作業を組み合わせて、年中おこなうことになります。芝刈りや水まき、そして肥料やりといった日常的にやるお世話から始まり、さらに成長を促すためのお世話もあります。今回はそんな作業の数々をみていきましょう。

お世話の方法を紹介した後、天然芝を張るかどうか迷っている方へのヒントを紹介します。この記事を読めば、天然芝の手入れについて全体像を知ることができます。もしまだ張るかどうか悩んでいるのであれば、ぜひ参考にしてみてください。

【基本編】天然芝の手入れ方法

手入れの方法をみる前に、芝の種類をまず見分けましょう。手入れは「夏芝」(日本芝)と「冬芝」(西洋芝)で少し違いがあるので、まずここで自分が世話する芝の分類を確認してから読み進めてください。

■芝の分類
夏芝……高麗芝、姫高麗芝、野芝、TM9、バミューダグラスなど

冬芝……ベントグラス、ブルーグラス、フェスクなど

この分類を基本に説明します。品種がわからない場合は、冬に枯れる芝だったら夏芝と考えて、読み進めましょう。

【1】水やり

【1】水やり

芝生はたくさんの水を必要とする植物なので、乾燥しやすいあたたかい季節は、毎日水やりをする必要があります。具体的には3月から11月末ごろまでは、毎日朝に水をやったほうがいい季節となっています。また、夏には、芝の種類に応じて次のように夕方にも水やりを増やしてください。

■夏芝(日本芝):6月から8月の期間は朝夕2回

■冬芝(西洋芝):3月から8月までで気温28度を超える日は朝夕2回

水やりは、気温が低い朝と夕方におこなうのが一般的です。昼に水をやると、あたたかい気温や日差しで水が蒸発し、湿気が高くなって芝の葉や根によくありません。朝は日の出から気温が上がりきるまでに、夜は日が沈んでから水やりをしましょう。

水はホースなどを使ってたっぷりと撒きましょう。小さな庭であればホースでじゅうぶんですが、広い庭や土地となると、毎日の作業が大変になるのでスプリンクラー(散水機)のほうがよいです。冬芝、夏芝共通でこの水撒きを実践してみてください。

【2】芝刈り

芝刈りは天然芝の手入れでは欠かせない作業で、いちばん多いときで10日に1回ほどおこないます。芝刈りに関しても、天然芝の種類によって違いがあるので、それぞれについてまとめてみました。

■夏芝:
4月から9月いっぱいまで10日に1回のペースでおこなう

■冬芝:
・3月は2回までおこなう

・4月から9月までは1週間に1回程度おこなう

・10月から12月は月に3回まででおこなう

注目したいのが、冬芝は冬でも芝刈りが必要なことです。冬も育つので、夏芝よりも長い期間手入れが必要になります。

芝刈りは2センチから3センチの長さを保つようにしましょう。この長さをキープすることで、芝は縦に伸びるのではなく横に広がって成長するようになります。すると、芝の密度も上がって美しい仕上がりになります。

【3】肥料

芝に与える肥料は固形の化成肥料と液体肥料の2種類があります。ふたつはどちらかいっぽうを好みで選べば大丈夫です。使い方や特徴をみてやりやすそうなほうを選びましょう。

■化成肥料(固形)の特徴
化成肥料は、ネコやイヌのトイレ砂のような見た目のつぶつぶの肥料となっています。製品ごとの用量を守って、粒の状態で散布してください。

撒いたところには「肥料焼け」という肥料によって草の色が変わる現象が起こります。これは芝の健康には問題はありませんが、使うときには白っぽいスポットができてしまうことを覚えておきましょう。まだら模様ができるのが嫌であれば、液体の肥料を使います。

■液体肥料の特徴
液体の肥料は水で薄めて、散布器またはジョウロなどに入れて使います。水やりの要領で撒けば大丈夫です。ただ、昼に撒くと芝が蒸れてよくないので、朝や夕方など気温の低いときに撒きましょう。

■時期は3月~11月、1回/月~2回/月のペース
肥料やリは3月から11月の期間におこないます。水やりの時期と同じだと考えてください。詳しい頻度は肥料の取り扱い説明に従うことになりますが、夏芝も冬芝も月1回程度のペースで肥料を与えます。

【4】雑草取り

芝生がすでに生えている土地にも雑草が生えてくるので、対策が必要です。雑草を放っておくと、刈り揃えた芝の層から草が飛び出して生え、見栄えが悪くなります。雑草は年中いつでも生えてくるので、草取りは年間をとおしてやり続けることが必要です。

■大事な時期は春
3月ごろに、雑草たちは最初の芽を出します。この時期に芽を摘んでおくことが、その後1年の雑草の増え方を左右するのです。そこから続く数カ月も初期の雑草を駆除するために重要な期間です。

■除草剤で対策する
「選択制除草剤」という、雑草だけに効く除草剤を使えば、芝を犠牲にすることなく雑草を駆除できます。ただし、芝生の種類や、除草剤が対象としている雑草の種類によって、使えないことがあるので、使用前にはしっかり確認をしましょう。

お手入れをしないとどうなる?

手入れをせずにいると、庭は荒れていきます。また、芝がしだいに枯れていくということもありえるでしょう。また、いったん伸びすぎてしまってから刈ると場合によってはもう成長しなくなってしまうこともあります。

元気でさわやかな印象の天然芝ですが、美しく保つためには年中世話が必要なデリケートな植物です。芝の手入れが大変だと感じる場合は管理できる業者に依頼するのもよいでしょう。芝刈りやお庭に関する業者探しなら、弊社の業者紹介サービスをご利用いただくとスムーズに見つけることができますよ。

【特別編】天然芝の手入れ方法

ここまで紹介した天然芝の手入れ方法は基礎的なものでしたが、ここからはさらに芝をよくするための作業を紹介していきます。芝を健康的に保つためには、ここにあげる作業を取り入れるとよいでしょう。

【1】エアレーション

【1】エアレーション

芝の上から棒を刺して土壌に穴をあけることで、土に空気をとおす作業がエアレーションです。土壌は空気をとおさずに放っておくと、根が絡まったり、空気中から入るはずの酸素や窒素の量が減ったりして窒息のような状態になります。

普通の土地では土を混ぜて耕しますが、芝生の土地では芝が生えていてそれができないので、代わりに穴をあけて空気を届ける必要があるのです。

■必要な道具はひとつ
エアレーションには専用の「ローンスパイク」か「ローンパンチ」という器具を使います。ローンスパイクのほうが刃が薄いので、芝には優しく、ローンパンチは太い杭でより通気性のよい空気穴をあけられます。

■エアレーションは最低1回/年やる
エアレーションは春と秋におこなってください。芝の成長が早まる3月から6月と、夏が終わった9月のふたつの期間で、毎月1回おこなうとよいです。7月から8月はたとえ暑さに強い夏芝でも根を切ると弱ってしまうほど過酷な気候なので、エアレーションはひかえましょう。梅雨の時期には、とくにエアレーションをすることで芝の水はけがよくなるので、雨対策になります。6月は梅雨に入る前にエアレーションができるとよいでしょう。

【2】サッチング

サッチングの「サッチ」は、芝などのカスのことで、芝生の根元にあるいらない葉のくずなどを掃除することをいいます。芝の根元にあるいらないごみを取り除き、そこにコケが生えたり、根が湿気で蒸れないようにする目的があります。

サッチングは冬が終わるとき(3月ごろ)に1回、そしてその後は芝刈りの後などに適宜やっていきます。梅雨の時期にサッチがあると水はけに悪影響し、湿気も貯めてしまうのでこの時期から夏にはこまめにやりましょう。

【3】目土入れ

目土は「めづち」と読みます。いろいろなタイミングで芝の上に撒く、サラサラとした水はけのいい砂のことです。おもに以下に紹介するような場面で、地面のデコボコを均(なら)す目的で使われます。

■エアレーションの後に撒く
エアレーションであけた穴に目土を入れます。目土を直接注ぎ込む必要はありませんが、芝の土地全体に目土を広げるときに穴に入っていくのをイメージして撒きましょう。

■サッチングの後に撒く
サッチングでは芝の根元をすいたときにえぐれた土壌を目土で直します。この作業は毎回やる必要はなく、年に1回から2回のペースでおこなえば大丈夫です。

■種撒きの後や芝生を張った後に使う
種を撒いたら、目土をふわりとかけておきます。種ではなく板状にして市販されている芝を敷く「芝張り」をするのなら、張った芝のブロック同士のすき間を目土で埋めます。

■目土の撒き方
エアレーションやサッチング、種撒きの後は薄く撒くのがよいので、ふるいやザルを使うとよいでしょう。スプレッダーという専用の道具を使うと広範囲への散布が楽になります。芝張りの後にすき間を埋めるにときは、スコップでよそうとよいです。

【4】芝焼き

芝焼きはサッチングと同じように、いらない枯れ葉を取りのぞく作業ですが、火を使います。冬の終わりの、芽吹く前の2月から3月ごろの芝に対しておこなうもので、面積が広い芝などに施します。焼くことで灰や炭が栄養に変わり、火による温度の変化も芝によい影響を与えるとされる方法です。

作業には草や木用のガスバーナーを使います。はじめに、燃え広がらせたくない場所に水をたっぷりとかけて延焼を防ぎます。そしてバーナーで芝の地面全体を、表面が黒く焦げるまであぶっていきます。

都市部では一般的に屋外でものを燃やすことが制限されているので、一般家庭の庭などではできないでしょう。できる場合でも、火の扱いには細心の注意が必要です。

天然芝によくあるトラブルと対処法

天然芝を手入れしていてよくあるトラブルが枯れてしまうことです。対処法を知っておけば、いざとなったときに役立ちます。

もし、芝が枯れたのが久しぶりの芝刈りの後であれば、芝刈りのやり方に原因があったといえます。芝は長く放置されて背が伸びた状態のものを根元で切られると、「軸刈り」という状態になります。

これは、細胞が作られる「生生長点」が刈り取られてしまった状態で、刈られた芝は成長しなくなり、枯れます。3月から4月などの芽吹ききる前の季節であれば、また、新しい芽が生えることがありますが、それ以降に軸刈りをすると葉が作れずにそのまま枯れてしまいます。

刈るときは、生長点を落とさないように葉の上から3分の1程度の長さまでを刈るのがよいでしょう。伸びすぎたものは生長点より上で刈り揃えて管理するか、もう手を付けず、その代の葉が枯れるまで置いておくことにしてください。生長点を切り落してしまうと、次の年に生えなくなってしまうためです。

軸刈りなどは、正しく管理をすることで防ぐことができます。管理を行者に任せれば、軸刈りなどのリスクを回避することも可能です。業者選びなら、弊社の業者紹介サービスをご利用いただくとご自身で探す手間を省くことができます。ぜひ、フリーダイヤルからご相談ください。

手入れが多い天然芝……植えようか迷ったら

庭にあえて天然芝を敷くことには、たくさんのメリットがあります。ここまでお手入れの方法を細かく紹介し、大変そうな印象を持たれたかもしれません。芝を植えるかどうか悩んだときには、以下のようなポイントを考慮してみてください。

天然芝を植えるメリット

天然芝を植えるメリット

天然芝を植えると、庭がお部屋の一部のように変わります。芝は地面を覆うので、土や砂、石などを包んで隠すことができます。芝生を敷いた庭なら、寝ころんだり靴を履かずに踏み出したりすることもできるので、庭がリビングのようなくつろげる場所になることでしょう。

また、ガーデニングをするときのベースとして芝生を敷くこともできます。芝生の上にプランターを置いたり、ベンチを置いたりすることもできるので、工夫の幅が広がります。

人工芝や地面を覆って雑草の成長を防ぐ防草シートと比べても、芝は天然の生きた植物なので、温度が上がりにくいです。水分を常に含んだ草が地面を覆っていれば、庭の温度の上昇も防ぐことができます。また、砂埃が舞い上がることや、洗濯ものを落として土で汚してしまうことも少なくなるでしょう。

手入れの大変さは芝の種類にもよる

芝生には種類があり、おもに「夏芝」と「冬芝」の2分類で手入れの方法が異なります。この違いで、手入れのむずかしさにも違いが生じます。

夏芝は、夏の間の手入れを頻繁におこなわなければなりません。夏にいちばん成長が活発になるためです。また、夏芝のなかでも特徴に違いがあり、野芝と高麗芝は病気や害虫、そして踏まれることに対して強いですが、同じ夏芝でも姫高麗芝はこれらに弱いので、肥料の与え方や防虫などをより丁寧におこなう必要があります。

冬芝は葉が1年をとおして成長を続けるので、頻繁な手入れが必要です。また、乾燥に強い冬芝のなかでもベントグラス類は乾燥や害虫に弱いので、手入れがむずかしいとされています。

夏芝であれば高麗芝が、冬芝であればブルーグラス類という種類が、虫や病気、そして踏まれる圧力に強いので、比較的管理しやすいです。また、高麗芝をより強く、見た目もよく育つように品種改良した「TM9」というものも開発されています。敷く芝の品種を選ぶときの参考にしてください。

天然芝は手間だけでなくお金もかかる?

天然芝の庭を作るには、最初に芝を購入する費用だけではなく、道具の準備や水撒きのための水道代などがかかります。この記事で紹介した水やりや芝刈り、エアレーション、肥料撒きなどの手入れの道具をそろえるためにも費用がかかるということですね。芝や道具の価格の、だいたいの相場は以下のようだと考えてください。

・高麗芝30センチ×35センチ 10枚ひと束: 1,300円程度から

・ローンパンチ:  1,200円程度から

・熊手:  3,000円程度から

・芝刈り機: 5,000円程度から

芝はひと束が1平米の広さです。最初の出費として、芝と道具一式が必要です。その後は水道代や肥料代、芝刈り機が燃料式であれば燃料などの費用がかかります。

人工芝は手入れが不要!

人工芝は、生きた植物ではないため、手入れがほとんど不要です。庭などの人工芝の手入れは上に落ちたごみを取り除く程度でよいでしょう。耐久性に関しても、一度敷いたものはおよそ5年は持ちます。

人工芝の価格は、1メートル四方のもので2,500円ほどのものがあります。同じ面積の天然芝と比較すると割高になりますが、手入れが少なくて済むことを考えるとお得だと考えることもできるでしょう。

手入れの手間は業者に任せるのもアリ!

天然芝の手入れが面倒だと感じる方や、手入れは楽しめるけど時間がないのであれば、業者に依頼するとよいでしょう。芝生は絶え間ない丁寧な管理が必要になるので、業者を入れて管理することも一般的です。一般家庭でも依頼することができます。

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