ヤブガラシが庭に侵食中!そんなあなたを助けたい!駆除と対策方法

 ヤブガラシが庭に侵食中!そんなあなたを助けたい!駆除と対策ガイド

庭や道ばたなどに長く伸びているツル状の植物を、見かけたことはありませんか?この植物は「ヤブガラシ」といって、まわりにある植物にツルをからませながら、成長していくため、ときにまわりの植物を枯らしてしまいます。

そんなヤブカラシから大切に育てている植物を守るためには、どのように駆除すればいいのでしょうか。ここでは、ヤブカラシの生態や被害、駆除のしかたまで解説していきます。

ヤブガラシとはどんな草なの?

ヤブガラシとは、ブドウ科つる性の多年草です。北海道~沖縄までと広く分布しており、どの地域でもみられる植物です。放っておくと、どんどんと成長していき、繁殖していきます。

〇「ヤブガラシ」の名前の由来

「ヤブガラシ」の名前の由来は、その名前の通り、藪を枯らしてしまう植物であることからつけられました。ヤブガラシは、近くにある植物や家の塀、電柱やフェンスにも絡みつき、大きく成長していきます。

大きく成長すると、まわりの植物を覆いつくし、覆われれた植物は、光合成ができなくなり枯れてしまうのです。

また、「ヤブガラシ」は別名で「ビンボウカヅラ」「ビンボウグサ」「ビンボウツル」と呼ばれています。これは、ヤブガラシに覆われた家は貧乏に見えるといったところからつけられた名前だそうです。確かに、草で覆われた手入れがされていない家は、そういったイメージなのかもしれません。

〇ヤブガラシの生態や特徴

ヤブガラシは、庭や公園、空き地、土手などでもよくみかける植物です。葉の付け根から伸びる巻きヒゲで、いろんなものに絡みつきながら、急速に成長していきます。

葉は3~5枚ほどの小葉に分かれていて、7~9月に花をつけ、その後、ブドウ形の小さな果実をつけます。

ヤブガラシのツルは、自分で自分の体を支えることができません。朝顔のようなツルのある植物を想像してみると、分かりやすいかもしれません。朝顔のツルにも添え木やフェンスなどに絡みついて成長していきます。

ヤブガラシもより多くの光を吸収したいので、上へ上へといろんなものに絡みつきながら成長していきます。しかし、朝顔と大きく違うのは、茎本体を絡みつけていくのではなく、巻きヒゲを巻きつけながら、伸びていくのです。

ヤブガラシの根は、地面の上にもみられますが、地面の下に深く根をはっています。長いものだと、30~50cm、それ以上のものもあるといわれています。

そのため、根を引き抜こうとしても、ほとんどが途中でちぎれてしまいます。すると、土の中で残った根からまた芽を出し、大きく成長するといった繰り返しになってしまいます。

ヤブガラシを駆除する方法は2通り

ヤブガラシを駆除する方法は2通り

このやっかいなヤブガラシを駆除する方法は2種類あります。それは「草むしり」と「除草剤」です。この2つの方法を詳しく解説していきます。

〇手作業でコツコツと

ヤブガラシを駆除するには、コツコツと草むしりすることも1つの方法です。まずは草むしりのための準備をしっかり行いましょう。

準備するもの
  • 手袋(ケガをするおそれがあるので、手首まで守れるもの、園芸用のゴム手袋がおすすめ)
  • 食塩水
  • 防虫スプレー
  • 草むしり用の服装(長袖・長ズボン・帽子)
  • 水分補給できる飲み物

このようなものを準備しておくとよいでしょう。特に、夏場は紫外線も強く、熱中症になりやすく、過度の日焼けにも気をつけなければいけません。日差しが強く、暑い日はこまめに水分補給をし、日焼け止めなども使うとよいでしょう。

草むしりは、雨が上がった直後や雨が降った次の日が最適です。雨によって濡れた土が柔らかくなり、雑草を抜きやすくなります。

また、草むしりは玄関前や家の正面の道路脇などといった「狭くて人の目につきやすい」ところからすることをおすすめします。あまり広いところからやると、草むしりの膨大さに途中で断念してしまうかもしれません。

草むしりをするうえで、押さえておきたいポイントは、

  • 根が残らないように抜く
  • 適度に休憩をはさむ
  • 範囲がひろいときは、三角ホーや草取りフォークなどを使うといい
  • 抜いた後は、食塩水をかける(塩分が草を枯らす)

これらのポイントで、気をつけなければいけないのが「食塩水をかける」ことです。塩分で植物を枯らしますが、この塩分は土の上に残ります。そのため、この場所ではしばらく植物が育たなくなってしまいます。草むしりのあと、何かを育てようと考えている方は、食塩水は使っていけません。

また、ヤブガラシは束にしてきつく縛っておくと枯れることがあるといわれています。草むしりはなかなか手間のかかることですが、ヤブガラシを見つけたら早めに取り除くことが大切です。

〇薬剤散布で一掃する

ヤブガラシは、根に栄養をため込む性質があるため、地面の上に見えている葉やツルを取り除いても、すぐに再生してしまいます。また、根を掘り起こしても途中で切れてしまうことが多く、完全に駆除するのはとても困難です。

そこで、葉やツルだけでなく、根まで枯らしてくれる除草剤をまくと効果的です。この代表的な薬剤として、グリホサート系の除草剤があります。この除草剤は、土に触れると分解される性質をもっているので、葉や茎に直接かけましょう。

除草剤をまくときも、直接皮膚に薬剤がかからないように、長袖、長ズボン、メガネやゴーグル、マスクなどの着用を徹底してください。また、周辺に枯れてはいけない植物がないかどうか、薬剤がその植物に反応しないかを確認してください。

ヤブガラシに筆で直接除草剤を塗るのも効果的です。このときにも、他の植物に影響がないか確認しましょう。

駆除の後は予防対策も施しましょう

草むしりや薬剤によって、駆除したあと、安心してそのままにしておくと、またヤブガラシが発生してきてしまいます。ヤブカラシの被害を未然に防ぐため、草むしり後は予防対策をしっかりとしておきましょう。

〇防草シートを敷く

除草シートは光を遮り、除草シートの下に生えている植物はうまく光合成ができず、成長が抑えられ、生えなくなります。一度敷いてしまえば、長期間雑草から土地を守ることができます。

除草シートの形状には、さまざまな種類があります。それは、織物のように繊維が縦横に並んでいる「織込布タイプ」、マスクやオムツのように織らない布、ちょうど紙と布の間のような「不織布タイプ」です。

織込布タイプは、柔軟性があり、水がよく浸透し、不織布タイプは長くもち、簡単に敷くことができます。設置したい土地の状態に合わせて、選んであげるといいでしょう。

除草シートは、広範囲に設置することが多いので、初期費用はかかりますが長く使える面を考えれば、とても効率的です。

しかし、ものによっては破けてしまって、そのすきまから雑草が顔をだしたり、きれいに敷くのが難しく、できあがりに納得がいかないこともしばしばです。

防草シートは、紫外線で劣化していくおそれがあるので、上から砂利を敷くのが一般的です。しかし、砂利を購入するのに余分な費用がかかってしまうので、初期費用はさらにかさんでしまいます。

〇水で固まる土を使う

最近は、ホームセンターや通販で「固まる土」が簡単に手にはいります。この「固まる土」は、土とセメントを混ぜたもので、水をかけるだけでカチカチに固まり、下から雑草が生えてこなくなる仕組みになっています。

見た目も土の質感を残しながら、水はけもよく、最近では家の庭や通路に使う人が多くなってきました。固まる土は、2~3cmほどの厚みがあれば、下から雑草が生えてくることはほとんどないので、雑草の予防には非常に効果的です。

しかし、この固まる土は、ただまいて水をかければそれでいいというわけではありません。微妙な水の配分の違いで、土が固まりすぎてしまったり、固まらなかったり、ムラになったりもします。

また、雨が降った時の水の流れを考えないと、水たまりができてしまい、とても歩きづらくなってしまいます。さらに、ゲリラ豪雨や大雨にはいくら水はけがいいといっても追いつかないのが現状です。

固まる土の最大のデメリットは、「強度が非常に弱い」ことです。何年かたって劣化し始めて、端から土がポロポロと取れてきます。よく歩く玄関先や駐車場には不向きなので、注意しましょう。

固まる土が劣化して、玄関のアプローチを作り替えたり、駐車場をコンクリートに変えたりすると、さらに費用が高くなってしまいます。固まる土を使う場所は、「もう一度固まる土を使って直そう」と思えるところに使うとよいかもしれません。

〇砂利を敷く

砂利を敷くのも、雑草を防ぐ効果があります。砂利を厚めに敷いておくことで、雑草の種が土の上に落ちるのを防いでくれます。最低5cm、できれば7~8cmくらいの厚みがあるのが理想的です。そうなると、1平方メートルに対して、60~70kgの砂利が必要になってきます。

厚めに敷かないと、雨のときに土が砂利の間から浮き上がってきたり、砂利の上を歩くことで土が見えてきてしまいます。少しでも土が見えてしまうと、そこから、雑草が生えてきてしまうおそれがあります。

砂利は、ホームセンターなどで購入できますが、砂利を敷く範囲によっては高額になるおそれがあるので、敷く範囲と金銭面も合わせて考えましょう。

ヤブガラシの放置で起こる被害とは?

ヤブガラシの放置で起こる被害とは?

ヤブガラシの駆除は、労力やお金がかかってしまい、駆除しても予防対策をする作業がまたおっくうになってしまいます。ですが、そのような理由でヤブガラシを放置しておけば、大きな被害を及ぼしてしまいます。

〇見た目が悪い

ヤブガラシの特性として、まわりの植物や建物などに絡みつき、上へ上へと伸びていく習性があります。光合成をするために、葉が生い茂り、しだいに、下の植物や建物を覆いかくしてしまいます。

このように、雑草が生い茂りうっそうとした状態になっていると、見た目も悪く、見通しも悪くなります。そうなれば、不審者の侵入に気が付かなかったり、枯れた草木は放火を招くおそれがあります。

ヤブガラシに覆われた家は管理が行き届いていないように見え、不審者の目に留まり、その街の治安の悪さにもつながります。

〇虫の住処となる

ヤブガラシが大きく成長し、生い茂った状態は、害虫の住処や繁殖の場になります。蛾やムカデ、コガネムシ、アブなどが住処とし、スズメバチやアシナガバチはヤブガラシの豊富な蜜を求めてやってきます。ハチは花が咲いている時期は毎日やってくるので、開花している時期は近づくのは危険です。

このように、人間に害を与える虫が増えてしまうと、人間が暮らしにくい場所になってしまうので、いち早くヤブガラシを駆除することが大切です。

〇被害がでる前にプロに相談しよう

ヤブガラシは大きく成長してしまうと、取り除く作業はとても大変です。取り除く作業から予防まで完璧に行うには、何日も時間を費やしてしまうでしょう。しかし、ヤブガラシの被害を考えると、このまま放置しておくわけにはいきません。

自分ではどうしようもないときは、迷わず業者に相談しましょう。ヤブガラシ駆除のプロがいち早く解決してくれるでしょう。プロの業者は駆除から予防までしっかりと行ってくれます。

まとめ

ヤブガラシは、ブドウ科ツル性の植物で、1年中どこの地域にもみられます。その名の通り、まわりの植物や建物に絡みつき、しだいに覆いかぶさって、藪を枯らしてしまいます。

ヤブガラシを放置すると、大切な植物を枯らしてしまったり、害虫が増えたり、ときには野良ネコやタヌキなどの害獣も呼び寄せてしまいます。また、ヤブガラシが覆い茂った建物や庭は、見た目も悪く、治安の悪化にもつながります。

そんなヤブガラシはいち早く駆除することが大切です。自分で草むしりをしたり、除草剤で一掃したりするのもよいですが、なかなかの重労働になります。

さらに、ヤブガラシが生えてこないように、しっかりした予防策も必要です。しかし、この予防策も自分ではなかなかうまくできなかったり、範囲によっては多額の費用がかかることがあります。

そんなときは、迷わず業者に相談して、駆除や予防をお願いするのが得策かもしれません。自分ひとりでは大変ですが、業者に頼むことで手間もはぶけ、むだなく駆除や予防をしてくれるでしょう。

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