ドクダミの駆除は根を狙うべし!次々生えるドクダミの対処法をご紹介
雑草の中でも、どこにでも生えてくるうえに、独特の臭いにおいを放つ「ドクダミ」は、苦手だという人も多い種類です。生命力も強く、手ごわいドクダミは一度駆除をしても、またすぐに生えてきてしまうことも多いです。
ドクダミを完全に駆除するためには、いったいどうすればよいのでしょうか?今回は、ドクダミの効果的な方法やタイミング、駆除に必要な道具をご紹介いたします。また、繁殖を防止する方法や、ドクダミをうまく利用する方法もご紹介いたします。
ドクダミとは?駆除が難しいのはなぜ?
「ドク」と名前に入っていることから、警戒してしまう人も多いかもしれません。ですが、ドクダミに毒は無く、むしろ古来から漢方薬の材料にも使われるほどの、体に良い薬効を持つ植物なのです。
しかし、雑草としてのドクダミの特徴である、強い生命力と繁殖力には、悩まされる人が多いようです。
【ドクダミの特徴や生息地】
ドクダミは日本全国どこにでも生える雑草です。非常に強い生命力と繁殖力を持ち、日光の当たらない日陰でも問題なく自生しています。また、独特のにおいを放つため、雑草としては非常に嫌われている種類です。
しかし、このにおいはドクダミの持つ殺菌物質によるもので、悪い成分というわけではありません。この殺菌物質以外にも、ドクダミには10種類の薬効があるので、古来、薬の材料にされています。また、近年ではデトックス茶の材料にされているなど、歓迎している人も多い植物なのです。
【ドクダミの繁殖力が高い理由】
ドクダミは花を咲かして種を作りますが、この種から新たにドクダミが芽吹くことはありません。ドクダミの大きな特徴は地下茎にあります。ドクダミは地下茎を大きく伸ばして、1年を通して繁殖します。
地下茎の長さは20メートル以上になることもあり、少し掘り返しても完全な駆除をすることは難しいといわれています。また、ドクダミを食べる生物はあまり存在しませんし、病気にやられることもほとんどありません。
増やそうとする際にも、肥料はほとんど必要ないほどに生命力が強く、放っておけば勝手にどんどん根を張っていきます。天敵がおらず、地下で1年中成長するドクダミの繁殖を止めるものは、ほとんど存在しないのです。
【ドクダミを駆除するタイミング】
ドクダミには駆除に適したタイミングはありません。1年中勝手気ままに繁殖をするため、芽が出ているのに気付いたときや、邪魔だと思ったときにすぐ駆除をおこないましょう。放っておけば、さらに手が付けられない状態になってしまうだけです。
ドクダミの駆除に必要な道具
邪魔だと思ったらすぐに駆除をしてしまいたいドクダミですが、どんな道具を備えておけばよいのでしょうか?この章では、ドクダミの駆除に便利な道具をご紹介いたします。
【軍手・ガーデニンググローブ】
ドクダミに限らず、雑草駆除の際には手をケガしてしまうおそれがあります。枯れ枝や石で手を切らないように、しっかりと軍手やガーデニンググローブで手を保護しましょう。
また、除草剤を使う際には、軍手だけだと薬品が滲みてきて、肌に付着してしまうおそれがあります。肌を薬品から守るために、軍手の下に薄手のゴム手袋をするなどの対策をしておきましょう。
【スコップやシャベル】
ドクダミは根から増える植物です。根を完全に除去しないと、そこからまた新しくドクダミが生えてきてしまうので、スコップやシャベルで根を掘り返さなければなりません。
ドクダミは非常に広い範囲に、長く根を張り巡らせています。手持ちの小さなシャベルでは作業が酷になってしまいますので、できれば大きめの、足をかけることができるものをご用意するのをおすすめします。
【熊手】
ドクダミの根をさらに確実に掘り返すなら、熊手(レーキ)があるとより良いでしょう。短く細かく切れたドクダミの根でも、地面に埋まっていればそこからまた新たな芽を出します。
スコップなどでは探しにくいこの短い切れ端の根を、熊手で掘って探します。先のツメの部分が90度になっているものを使えば、硬い土でも比較的楽に掘り返すことができるのでおすすめです。
熊手で少し土をほぐすだけでも、小さなドクダミの根であれば除去することができるかもしれません。また、ほぐされることで土に空気が入り、健康な土ができますので、熊手はガーデニングには欠かせないアイテムです。
これらのアイテムを使って駆除作業をおこなう際には、熱中症の予防等のための帽子や、虫よけをするのを忘れないようにしましょう。また、同じく熱中症や虫刺され対策のために、できれば長袖の服や長ズボンを着て作業をおこなってください。
手ごわいドクダミを根こそぎ駆除する方法
非常に繁殖力の強いドクダミの駆除は、いったいどのような方法が効果的なのでしょうか?5種類のドクダミの駆除方法をご紹介いたします。
【地下茎を抜く】
根、すなわち地下茎から増えるドクダミを完全に駆除するなら、地下茎を引っこ抜いてしまうのが最も方法です。ただし、この方法は非常に大変な作業になることを覚悟しておく必要があるでしょう。
ドクダミの根は1年を通して伸びて繁殖をしますし、少しでも根が地面に残っていればそこから再び成長していきます。年中ドクダミの根を探す必要があるほか、ドクダミは20メートル以上の長い根を張ることも珍しくはありません。その長い根をすべて掘り返すのは、簡単な作業ではないでしょう。
【除草剤を使用する】
長く伸びているドクダミの根を掘り返して完全に除去するのは、非常に根気のいる作業です。除草剤を使えば、掘り返すよりも楽に完全除去を目指すことができるため、ドクダミ除去では最もメジャーな方法といわれています。
ガーデニングをしたり、野菜を育てたりしている方には、除草剤は抵抗のあるものかもしれません。しかし近年では、ドクダミ以外には無害な除草剤なども開発されているので、そういったものを使えば、余計なものまで枯らしてしまうおそれは少ないでしょう。
使いかたとしては、すでに成長してしまっているドクダミの葉に除草剤をかけ、葉から根まで全体に除草剤が浸透するのを待つ、という形になります。
遅くても1週間以内には、ドクダミが枯れて茶色に変色してきますので、そうなったら除草剤が効いている証拠です。そのまま1か月ほど待てば、根まで完全に枯らすことができるでしょう。
【熱湯をかける】
熱湯をかけてドクダミを駆除する方法もあります。ヤカンなどで沸かしたお湯を、そのままドクダミにかけて数日経てば、お湯をかけられたドクダミは枯れてしまいます。そのまま枯れたドクダミを根ごと引き抜きましょう。
ドクダミの茎や葉は熱湯で駆除することができますが、地中に埋まっている根までは枯らすことができません。そのため、完全駆除には向かない方法です。ですが、この方法を使えば摘むときの不快なにおいが発生しません。ドクダミ茶の材料にしたい場合には非常に有効な方法だといえます。
【重曹をかける】
重曹でドクダミを駆除することもできますが、重曹を水に溶かして無作為にまくだけではドクダミを枯らすことはできません。重曹でドクダミを枯らすには、ドクダミの葉などに傷をつけておく必要があります。
あらかじめ傷をつけておくことで、そこから重曹を浸透させることができます。この手間を加えることで、除草剤を使ったときと同じように、数日で根元まで枯らして完全駆除することができます。
【塩をまく】
塩分濃度の高い土で成長できる植物はほとんどありません。塩分濃度の高い土では、植物はうまく水を吸うことができず、根腐れを起こしてしまうからです。非常に強い生命力を持つドクダミも、塩が混ざった土ではお手上げのようです。
ただし、この方法は他の植物にも被害を及ぼしてしまいます。また、塩が混ざった土はそう簡単には元に戻すことができません。
これから先、一切の植物を育てる予定がない場所なら、ドクダミ以外にもあらゆる雑草の発生を無くすことができるメリットがあります。ですが、この方法はデメリットが大きいのでよく考えておこなう必要があるでしょう。
ドクダミがまた生えてしまう前に!予防方法
除草剤などでドクダミを完全駆除しても、違う場所から根を張ってきたドクダミが駆除した場所にまた侵入してしまうおそれがあります。またドクダミが発生しないように対策することはできないのでしょうか?
【土に苦土石灰を混ぜる】
ドクダミ予防に非常に効果的なのが、「苦土石灰(くどせっかい)」を土にまくことです。苦土石灰がまかれた場所の土は、ドクダミが苦手とするアルカリ性になります。そのため、苦土石灰をまいた土には一切ドクダミが生えなくなります。
ただし、ドクダミ以外にもアルカリ性の土が苦手な植物があります。ブルーベリーやツツジなどを育てている場合は、一緒に枯れてしまうので注意しましょう。
【ミントなどを植える】
ミントなどのハーブ系の植物は、ドクダミと同じように強い繁殖力を持ち、根を深く長く張るものが多くあります。育てておくことで、ドクダミが侵入してくるスペースをなくして、ドクダミの発生を予防することができるかもしれません。
中でもミントは、水をあげるだけで増やすことができるので、非常に簡単に育てることができるでしょう。ただし、ドクダミと共存してしまって効果がないケースもあります。根本的な解決をしたい場合には向かない方法かもしれません。
美と健康に効く!?ドクダミの活用方法
雑草としてみたドクダミは、どこにでも生えて他の植物の邪魔をして、臭いにおいを発生させてしまう厄介な植物です。すぐにドクダミは駆除してしまいたいものですが、ドクダミは強い薬効を持っている植物でもあります。
雑草として見られてしまうことの多いドクダミですが、中にはあえてドクダミを育てて、暮らしに役立てている人もいるようです。せっかくなら、美容と健康に効くドクダミを駆除するのではなく、うまく生活で活用してみませんか?
【ドクダミ茶で体内の老廃物をリセット】
ドクダミ茶が近年話題になっているのをご存知でしょうか。ドクダミには、体内の老廃物を洗い流して体をリセットしてくれる効果があります。漢方薬として使われることもあるドクダミですが、お茶にした方が飲みやすく、同じ効果が期待できるため、人気があるようです。
お茶にする際は、なるべくキレイな場所で採ったドクダミを使います。乾燥によって縮んでしまうので、少し多めに思うくらい採っておくとちょうどいいかもしれません。
採ったドクダミは土や汚れを水で落として、他の植物が混ざっていないか選別をおこないます。選別が終わったら、約3本で1束を作り、軒先やベランダに吊るして1週間ほど乾燥させます。
仕上げに乾燥させたドクダミを3センチほどに切って、弱火のフライパンで炒ればドクダミ茶の茶葉の完成です。水500mlに10グラムほどの茶葉を入れて煮出しましょう。
ドクダミといえば気になるのはにおいですが、下処理によってにおいは消されています。安心しておいしく健康によいドクダミ茶を楽しみましょう。
【保湿効果のある入浴剤でお肌しっとり】
ドクダミ茶を作る際と同じようにドクダミを煮出して、入浴剤として使うこともできます。ドクダミを入浴剤として使ったお湯には保湿効果があり、お肌を健康的に美しくすることができます。
ドクダミの入浴剤を使う際には、足湯にするのが手軽でおすすめです。キレイな野草を散らして入れれば、見た目も華やかに癒されることでしょう。
【美容成分たっぷりの天然化粧水で美肌に】
保湿効果のあるドクダミは化粧水にして使うのも効果的です。化粧水を作る際はドクダミと「35度以上のアルコール」「精製水」「グリセリン」を用意しましょう。
作り方は簡単です。まず1日干したドクダミの葉をアルコールに2週間ほど漬けます。漬け終わったドクダミの葉を漉して、精製水100mlと、グリセリンとドクダミを漬けるのに使ったアルコールを5mlずつ入れて混ぜれば完成です。
非常にスッキリとした使い心地で、市販のものに引けを取りません。「なかなか肌に合う化粧水が見つからない……」とお悩みの人は、是非一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ドクダミは強い薬効があり、古来、薬としても使われるなど、うまく活用すれば生活の助けになる植物です。ですが、雑草として見たドクダミは、非常に強い繁殖力と生命力を持つ厄介な植物です。
ドクダミは1年を通して根から繁殖します。完全にドクダミを駆除するためには、根をすべて掘り返すか、除草剤などで枯らさなければなりません。
しかし、ドクダミが長く根を張っているなど、ドクダミを自力では完全に駆除できない場合もあるかもしれません。そんなときは、業者に依頼して確実に駆除と予防をしてもらうのもよいでしょう。
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